50代の転職は「解決」にならないことがある。転職後に適応障害になった私の話

「次の会社なら、きっとうまくいく」
職場でしんどくなったとき、多くの方がそう思うんですよね。私もそう信じていました。印刷会社での仕事が限界に近づいたとき、真っ先に頭に浮かんだのは「転職」でした。「この会社が問題なんだ。環境さえ変われば自分は大丈夫だ」って。
で、実際に転職しました。そして最初の数年は「変えて正解だった」と感じていたんです。でも5年後に、また同じことが起きました。
今回は、その話をします。
転職した。最初はマシになった気がした
最初の印刷会社で限界を感じたのは、職場の雰囲気が原因でした。上司との関係、チームの空気感、慢性的な疲弊。「ここにいるのはもう無理だ」という感覚がはっきりあって、転職という選択をしました。
転職先は、同じ印刷関係の会社でした。仕事内容はほぼ同じですが、職場の雰囲気がまったく違って、最初の1〜2年は「あ、これは良かったかもしれない」と思っていましたね。前の職場に比べると明らかに居心地が良かったし、「あのとき転職に踏み切って正解だった」と思っていました。^^;
5年後に、また同じことが起きた
でもですね。5年ほど経った頃から、また状況が変わりはじめました。組織の方針が変わり、職場の雰囲気も少しずつ変わっていって、気がついたらまた同じような状態になっていたんですよね。
「あれ?これって前の会社のときと同じだ・・・」
そう気づいたとき、正直かなり動揺しました(汗)。転職という「解決策」をすでに使ってしまっている。でもまた同じことになっている。じゃあ次はどうすればいいんだ、って。
結局、また体が悲鳴をあげて、もう限界だという状態になって、退職することになりました。
「転職ループ」という現実
リサーチをしていて気づいたのですが、同じパターンで苦しんでいる方が本当に多いんですよね。
Yahoo知恵袋などを見ていると、「パワハラで自己都合退職。次の職場でもまたパワハラにあった。また辞めて転職ループ。うまくいかず死にたい」という声が、一件や二件じゃないんです。自分だけじゃなかったんだ、と思うと同時に、「なぜこのループが起きるのか」を考えずにいられなかったですね。
転職した先でも、また同じことになる。なぜそうなるのか。
問題は「あの会社」ではなく「自分と環境のミスマッチ」だった
私自身の体験から振り返ると、転職前に考えていた「問題の原因」が、実は少しずれていたんですよね。
「上司が悪い」「会社の風土が悪い」「業界が悪い」——これは全部事実だったかもしれない。でも根っこにあったのは、内向型の自分が、大勢の中でコミュニケーションを取りながら働くという環境そのものに、消耗していたということだったんですよね。
会社を変えても、「会社という構造」は変わらない。チームがあって、上司がいて、毎日誰かと密なやりとりをして、組織の空気を読みながら働く。内向型にとってこの構造自体が、じわじわとエネルギーを削いでいくんですよね。「ここの会社がダメなんじゃなくて、この働き方が自分に向いていないのかもしれない」という考えに、5年後にようやく気づいた感じです。
転職を否定したいわけじゃない
ここで誤解してほしくないんですが、「転職はやめた方がいい」と言いたいわけではないんですよね。
職場環境を変えることで、本当に状況が改善するケースは実際にあります。特に、パワハラなど明確に「その会社の問題」が原因の場合は、環境を変えることに意味があるんですよね。私自身も、転職後の数年間はたしかに楽だったし、あの選択を後悔しているかというと、そうでもない。
ただ、「転職すれば根本解決する」という前提が危ういんですよね。それだけは、身をもって学びました(汗)。
「この会社がおかしいのか、それとも自分がこの働き方に向いていないのか」——この問いを持たずに転職すると、また同じ場所に戻ってくるリスクがある。50代だと転職の選択肢も限られてくるので、なおさら「何のための転職か」を冷静に考えてほしいんですよね。
30ヶ月の立て直し期間で気づいたこと
2度目の退職のとき、私は傷病手当と雇用保険を組み合わせて、30ヶ月ほどの立て直し期間を作ることができました(詳細は別の記事に書いています)。
この30ヶ月があったからこそ、「次の会社を急いで探す」という焦りから解放されて、じっくり自分のことを考えられたんですよね。「自分はどんな環境なら消耗しないか」「内向型が無理なく働けるのはどういう形か」という問いを、時間をかけて掘り下げることができた。
焦って次の転職先を探していたら、おそらくまた同じことになっていたと思います。
まとめ:転職は「手段」であって「解決策」ではない
今回の話をひと言で言うと、こういうことです。
- 転職は「環境を変える手段」にはなる
- でも「自分と環境のミスマッチという根本問題」は、転職しても変わらないことがある
- 特に内向型は、「会社という構造そのもの」が消耗の原因になっていることがある
- 転職を急ぐ前に、「何が本当の問題か」を見極める時間をとることが大事
50代でメンタル的に限界のとき、「転職か、今の会社で我慢か」の二択になりがちなんですよね。でも実際には第三の選択肢があって、制度を活用して立て直す時間を確保した上で、自分に合った働き方を探すという道もある。
長い記事を最後まで読んでくれてありがとうございました^^ 少しでも「自分だけじゃないんだ」と感じてもらえたなら嬉しいです。
推し活のタカトリ(脱ドレイの鷹登利)
55歳で印刷会社を退職。傷病手当18ヶ月+雇用保険12ヶ月で30ヶ月・約480万円を受給し、内向型が自分らしく働く道を模索中。「内向型のための脱サラナビゲーター」として発信しています。
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